椅子はいくつあっても
目指せブログ100件という目標設定をしております。普段過ごしている時間に追われた仕事の中に長期投稿でロングスパンな時間軸を。ブログ投稿自体、当然時間を要します。それでもここに書き記す事でより自分自身の気持ちや考えをご一緒して頂ける未来のどなたかへ向けて。宛の無いボールを投げ続ける様な気持ちでは無く出会いたいどなたかへこのボールが受け取りやすく安心して腹を割ったお付き合いが出来る様に。寄り添ったご提案をさせて頂きたいので大切に続けて行きたいと思います。そんなこんなで節目の25回目の記念すべき投稿です。
分譲地の提案、採用項目にさせてただいている家具のお話です。以前お話しさせて頂いた家具屋さんへ久しぶりに行ってきました。たくさんの家具とあの椅子を見に。3〜4年前に見せて頂いた際お薦めして頂きまして、あっという間に見惚れてしまい中々出会えないとの事でいつか縁があればなあ、、、と思っておりましたがそんなふとした会話を覚えていて下さってタイミングよくご連絡いただきました。縁ビシビシ。ようやっとお邪魔できると思いきや体調を崩し延びに延びて遅くなってしまいました。それでも快くお待ちいただいて感謝です。
連日遠足前夜のような気持ちで今回見せて頂いたのはこちら
※こちらの画像は入荷時のもので購入時は張り替えする事になります。そもそもの状態を確認し研磨や様々なメンテナンスを行なった後に塗装、生地の張り替えです。とても丁寧な仕事の後、納品となるのが通常の流れのようです。ちなみにこちらは肘掛けがチーク材、その他がオーク材の組み合わせです。
Helge Sibast model6
モーエンセンやウェグナー、ヤコブセン、スタルクなど所謂有名どころしか詳しく知らない私でしたが、じっくり丁寧にお付き合い頂いているこちらの家具屋さん。行くたびに色んな事を教えて頂きついつい長居してしまいます。そんな中お邪魔した際、店舗にあった実物を見せて頂き大好きになった一脚です。
20年くらい前に読んだ書籍に書かれていましたが家具好きの最上の楽しみはフィンユールNV45の後ろ姿をベアチェアに座って愛でる事だとか。何の本だったか?忘れてしまいました。椅子は座ってなんぼですがある種技術の到達点と思える繊細な美しいプロポーション、材料選定からくる経年した質感など確かに見ているだけで供するとそこに置いてあるだけでその場の雰囲気を良くする感覚もわかります。この椅子の座りごごちは勿論素晴らしいです。背もたれの湾曲した部分にすっぽり収まる背中と自然に腕が乗る肘掛け。さらに座面の形状。座り心地の性能追求を大前提に如何に意匠性を突き詰め共存させるか。そこに競うような個性や当時の最新の技術が組み合わさって名作と呼ばれる椅子がたくさん産まれ今現在も私たちの生活の手の届く所に存在します。大切に使われていた椅子は60年前後経ったものでも丁寧なメンテナンスでこれから更に10年、20年と使えるようになるとの事。そんな事をこの家具屋さんで教わりこの椅子を見つめて改めて強く感じました。広く物造りというカテゴリにいる私自身にとって突き詰めて行くと辿り着くこの感覚を改めて大切にしたいなと思えるそんな椅子です!かっこいい椅子。テキスタイルによって表情も様変わりしますし木を材料にしていれば1つとして同じ木目はありません。ですのでいつも出会う家具は一期一会と思うと所有するにしても愛着が湧きその分大切にしたいと思うものです。座るか飾るか…いや座るし飾るし。
本物の家具を十日町らしい丁寧な暮らしの提案の中に是非。
以前も少し触れましたが無理して高価なものをおすすめしたい訳ではありませんのでご心配なく。私自身の自宅建築時に思った感覚、ほとんどの方が家造りは一生に一度きり。ですのでそこで暮らす身の周りに置くものも買い替え前提の消耗品でなく大切に一生暮らしに寄り添ってくれるものを。そんな感覚を少しでも共有できたら楽しく大切にお話を進められそうな気がします。新発田市は月岡温泉のほど近くにあるこちらの家具屋さん。現在は主にアポイント制で店舗を開けていらっしゃるそうなので気になる方はお問い合わせ下さい。色んな意味でご縁を感じる事のできる家具屋さんです。
さてこの椅子は我が家に来るのでしょうか!またそのうちに。
100年続く工務店を目指して
SW.design yaezawa