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調度品③

お皿

冬もすぐそこまで。

タイヤ交換いたしました。

まだ来ないで雪。

 

早速ですが前回のお話から広げて続くです。

 

先日読んだ本『民藝』ですが暮らしについてでした。中でも特集は茅葺に焦点を当てた内容で茅葺とは材料含めての総称であり材料は茅・葦・稲など所謂雑草の類いを言い、人類歴史上農耕を始めた頃から私たちの生活に寄り添った材料だった事や自生している茅自身に生態系が宿る事など知らなかった事がたくさんで面白かったです。因みにこの地域では鉄板で葺いたものでもその形状で茅葺と呼びます。ちょっとややこしいですよね。世界中に植物を利用した住居は確認されていて今では世界でSNSを利用した職人同志の繋がりもあるそうです。そう言ったお話の中、巻頭を飾ったのが栃木県益子町にある濱田庄司記念益子参考館の屋根改修に際しこれまで通りの茅葺き屋根の葺き替え工事が長年行われた事、クラウドファンディングなども活用され多くの方の支援に預かり最近茅葺工事が終了した事などが記されていました。

 

濱田庄司といえば器。人間国宝。『15秒プラス60年』がとても有名で初めて聞いた時は痺れたものです。こんな事言える様になりたいものだと素直に感心しました。そんな事もありどうしても行きたくなって訪れた益子町。10年以上前のことだと思いますが活気があって大盛況でした。そんな中訪れたのが濱田庄司記念益子参考館。大きな茅葺屋根のそれはそれは立派な建物で中には轆轤(ろくろ)が並んでいました。こちらが濱田庄司、隣はバーナードリーチという様に。

 

その時購入したのが濱田庄司の作品。ではなく益子焼きのお皿です。母にお土産にした湯呑みは程なく割れてしまってもう無いのですが数枚はまだ食卓を彩ってくれています。やはり私は何か1つ至上主義ではなく文化の到達点的な成熟・醸成したモノ、建築、調度品とそれぞれが引き立て合う空間などに惹かれる様です。シンプルにどちらもどれも素晴らしい。1つ思い出しましたがお世話になっている新発田の家具屋foresightさんに以前お聞きしたのですがお茶の世界で使用される茶器、器において北欧のものが採用される事もあるそうです。突き詰めた方達ほど分け隔てないのだと感心した事を覚えています。

 

そんな中今回読んだ本の中に見つけた濱田庄司の言葉

 

『野菜や果物が成るように、自然に生まれてくるような仕事がしたい

 

赤線引こうかと思うくらい嬉しくなりました。心が暖かくなるような言葉でした。私もこの地で仕事をさせて頂くなら!と近いものを心に留めておりましたのでまた胸が熱くなる経験ができました。読んでよかった。大切にしていた事を思い出せる。これだけでも価値のある行為です、またゆっくり本を読もうとそう思いました。

 

特別高価なわけではありませんが

大切に残された窯ごとの技術・特徴

そんな物に囲まれて生活する

小さな幸せを産む調度品たちに

調和するような住宅建築を心掛けております。

 

100年続く工務店を目指して

SW.design yaezawa 

益子焼:豆皿3寸